ヘルペス
「ヘルペス」とは、「ヘルペスウイルス」による感染症で、人間に感染するヘルペスウイルスは8種類が知られています。
感染するウイルスにより症状はさまざまで、代表的な病気に、「単純ヘルペスウイルス」による口唇ヘルペス、性器ヘルペス、「水痘・帯状疱疹ウイルス」による水ぼうそうや帯状疱疹があります。
ヘルペスウイルスは、感染していても普段は症状が出ない人も多いのです。
単純ヘルペスウイルスは、体のどの場所にも感染し、皮膚に水ぶくれを起こします。代表的なものとして、唇の周辺にできる「口唇ヘルペス」と、性器周辺にできる「性器ヘルペス」があります。症状としては、小さな水ぶくれがいくつかできて、痛がゆい状態が続きます。やがて水ぶくれが破れてかさぶたになると、1~2週間ほどで治ります。
治療には、主に抗ヘルペスウイルス薬が使われます。抗ウイルス薬によって、ヘルペスウイルスの増殖を阻害する事によって、症状を最小限に抑え、早期に回復する事ができます。ただし、あくまでウイルスの増殖を抑える為だけのものであり、ヘルペスを完治させる効果はありません。
帯状疱疹
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹(すいとう・たいじょうほうしん)ウイルスによって起こります。一度、水疱瘡(水ぼうそう)にかかるとほとんどの方は神経の中にウイルスが長く潜伏した状態になっています。そのウイルスが疲れやストレスなどがきっかけで動き出し、今度は神経を伝わって皮膚に出てきて水ぶくれを作ります。それが帯状疱疹です。
ほとんどの場合は一本の神経に沿って出ますので、左右のどちらか一方に水ぶくれが集まってできます。おなか周りにひどくなると半分帯を巻いたように出ますので、帯状疱疹という名前が付いていますが、全身どこにでも出ることがあります。
帯状疱疹の治療については、抗ヘルペスウイルス薬を使用します(5~7日間)。患者様の年齢、体重、腎機能を考慮し投与量を決定し治療をします。投与量を決定するために血液検査をさせていただくことがあります。飲み始めてすぐに効果が現れなくても、指示通り服用してください。
治療においてもっとも重要なことは、いかに早期から治療を開始するかです。早期に治療することで、症状を軽くし、合併症や後遺症である帯状疱疹後神経痛を防いだり、軽くすることができます。
水虫(足白癬)
水虫は白癬菌という真菌(カビ)によって生じる感染症で、正式な呼称は足白癬です。この白癬菌が足の裏や足の指の間などに寄生して、ジュクジュクしたり、痒みが出てきたりするのです。
感染原因には、不特定多数の人が履くスリッパの使用、複数の人が利用する足拭きマットの利用などが挙げられます。高温で湿度が高い状態を好むので、高温多湿な夏になると活発化するので、症状が悪化していきます。その一方、気温が低く、乾燥した環境になる冬では症状が治まりやすくなります。
複数の家族の中で繰り返し感染を繰り返すことがあるため治療を行う時は症状の出ている家族の方と一緒に受診してください。
治療は抗真菌薬が中心で、塗り薬と内服薬の2種類あります。爪白癬のように患部に薬の成分が届きにくい場合は内服薬が選択(現在、爪白癬の塗り薬もあります)されます。内服薬は3~6ヵ月間服用する必要があり、場合によっては肝機能障害などを招くこともあります。そのため、副作用の可能性の有無を血液検査で確認しながら治療を進めていきます。