救急外来で縫合された方へ
2018年10月5日
最近、テレビで貴ノ岩関の1年前の怪我の画像を見る機会がありました。非常に痛々しい怪我ではありますが、医療用ホチキスにて処置が行われておりました。ステープラーによる治療は非常に有用で素早く創の閉鎖ができ非常に有用な手術道具です。しかしながら慣れない医師が用いると傷に隙間が開いたり、段差ができたりと意外とコツが必要です。
ちなみ当院では頭部の怪我でも針糸で縫合を行います。その理由は傷を綺麗に治すことに重点をおいているからです。ステープラーの治療はスピードにおいて断然有利ではありますが、1〜2週間後にステープラーを外した後は傷を寄せておく効果はありません。その一方で傷の治癒していく過程は一般的に3ヶ月〜6ヶ月程度かかります。皮膚の強度が元に戻るまではかなりの時間がかかるわけですがその間に周囲の皮膚に引っ張られ傷は瘢痕として徐々に伸ばされて行きます。頭の中でそれがおきると瘢痕のところは毛髪が生えないためにハゲができてしまうわけです。それに比べ針糸を用いた縫合では吸収糸を用い皮膚の中で約3ヶ月程度皮膚を固定する力を維持し、瘢痕が広がることを防いでくれるため最小限の傷跡ですむわけです。
当院では他院で行なった縫合創でも著しく瘢痕が残ると判断した場合には再縫合を行なっております。夜間などで救急外来などで縫合を行なっていただいた方、毛髪内の怪我などでステープラー(医療のホチキス)などで処置をされた方など専門医の治療をご希望される方は是非当院に受診してください。相談のみ希望されるかたはオンライン診療をお勧めいたしております。実際にクリニックに来られない方でも手元のスマートホン、タブレットなどからお気軽に相談していただけます