傷ってなんで残るの?🙄

この傷はアトに残りますか?

形成外科医として診察する中で今まで何千回と聞かれてきました。怪我をすると跡になるかは本当に心配ですよね!

傷に残る原因は主には真皮という部分に傷ができてしまうかどうかで決まります。目立つ傷になるかどうかを考慮しなければ真皮深層という部分に傷が入ると損傷部位を修復するために創傷治癒が起こり最終的には必ず瘢痕(傷痕)ができます。

真皮浅層より皮膚手前側の浅い層の傷であればアトを残さず治癒することがほとんどです。(ただし日焼けをしないようにすることや感染などを起こさないようになるべく早く治癒させることが必要ですが・・)

浅いやけどや擦り傷が跡を残さず治るのは真皮深層という部分が傷がついていないからなんですね。

最初の怪我の深さで決まるのなら形成外科医いらんやん!って思いますよね。

形成外科のお仕事は目立つキズアトを作らずなるべく綺麗に治癒するお手伝いをすることなんです。傷の治癒を早めたり、傷の方向を傷の目立ちにくい方向に変えたり、ダメージを最小限に抑え怪我や腫瘍などの出来物を取ったりすることでなるべく目立たないキズアトを作ることができます。

いつも患者さんにお見せするのですが自分の手です。①手の関節部の傷。当時私が研修医で1学年上の先輩(形成外科になりたてホヤホヤ)にとってもらった黒子の除去後のキズアト。関節で動かす場所ですがかなり綺麗です。②もう一つの傷が小学生の時に指の腱まで切ってしまった時のキズアト。こちらはやや縫合糸の跡が食い込んだ部分がわかりやすいと思います。こちらもかなり綺麗ですが部位的に抜糸までに少し時間をおいたため食い込んだ部位が瘢痕になっていますね。伸筋腱(指を伸ばす作用がある)を切ってしまい、切った時は指が動きませんでしたが今は形成外科医として細かい手術もできています。旭川医科大学の先生に感謝です😊。

ということで早めに専門家に相談すると見た目も機能的にもバッチリ治りますので、大きな怪我やアトが心配な方は専門医に相談しましょう。