港区の災害医療に対する取り組み

第14回順天堂医院:医療連携を共に考える会に参加してきました。

昨年当院からも参加させていただいた港区の合同災害訓練:なんと港区内12もの大病院と港区医師会と区の本部を繋いで同時に訓練を行うという大規模なものでした。当院では慈恵大学病院さんの訓練に港区医師会からの派遣という形で参加させていただき、各関係科の先生方にご指導いただきながら訓練を行いました。昨年の訓練の様子はこちら。その合同訓練の様子を我らが港区の救急医療災害医療部主理事の安岡博之先生が発表されるということで当院からも参加をさせていただきました。

一昨年から合同災害訓練を開始し、12もの病院をまとめ同時に訓練をするためにどんなに大きなプロジェクトとして始まったか!という話かと思っていましたが、最初は個人のつながりやすぐに了承していただけない病院さんには何度も挨拶をしながら口説き落としこの合同訓練が始まったということでこんな大きなプロジェクトであっても何かを始める時には個人の力が非常に強く出るのだなということがわかりました。

以下安岡先生のお話を抜粋いたしました。

プロジェクトが動き出してからは各病院に災害医療用テントの配布などを港区の事業として行いながら訓練を充実させていきました。

港区は夜間人口が20万人程度、昼間の人口が100万人程度と言われています。つまりは日中の災害においては帰宅困難者が住民の4倍発生し区内に留まることが想定されます。

大きな病院は耐震構造などにおいても通常のビルなどより厳しい基準で作られているため周囲の避難者や怪我人などが集中すると考えられています。そのため普段からいるスタッフさんだけでは大病院といえども到底さばききれない患者さんや避難者に対応しなければいけないと想定されているのです。けが人などの都の想定などから計算すると1病院あたり9000人というけが人や避難者の対応が必要になるそうです。

医師会というのは基本的に個人経営の医師の集まりですので、基本的には各医院で治療を行なっていますが災害時においては参集する病院を設定し、また昼夜で駆けつけやすい病院を登録させていただき、災害時の現場を手助けするそんな体制を医師会を通じて作っていきます。

今後はビジネスビルや商業施設、学校などとも連携しいつ何時起きるかもわからない災害に対し、常に準備をし訓練を通して日頃から関心を高めるプロジェクトを継続して開催していくとのことでした。

当院としても一医療人として、地域の医療にいかに関わっていくかそんな課題をいただきました。これからも紹介状を送りあうだけの医療連携ではなく、お互いに顔の見える医療連携を作りながら非常時においてはスムーズにマンパワーとして組み込んでいただくような仕組みができれば本当に素晴らしいですね!